世は新型感染症によるソーシャルディスタンス時代。
「密」を避けよが合言葉。
ニュースを点ければ、今日の感染者数、総理や知事の記者会見、
家で快適に過ごすための趣味やアイテム、ストレッチ方法が流れている。
休業要請で資金繰りがと嘆く飲食店主や、新学期が始まっても学校が再開できず教育分野へのIT化投資の遅れがなどと報じられ、ネットでは内定取り消しとなった新卒の話なんかが流れてくる。
しかし、そこらをゾンビが徘徊しているわけでも、
街中に死体の山が転がっているわけでもない、
小銃を持った兵隊に感染者が連行され家が焼き払われるわけでもない。
食料が配給制になったわけでもなく、スーパーもコンビニも、時短しつつではあるが普通に日本円を使って不自由なく食べ物が買える。
医療現場はすでに限界だと報じられてはいるが、
持病もないので、病院の様子は自分の目では知らない。
自分の生活で変わったことといえば、
電車で出勤しオフィスで仕事していたのが、
自室でパソコンに向かうようになったこと、
毎月数回はに新作アニメを見に劇場へ出かけていたが、
新作は公開延期され、劇場は休業しているとか、
たまにアニメのイベントやイラストレーターの個展に出かけていたのができなくなったというだけ。
家でパソコンに向かっていれば、変わらず口座にサラリーが入ってくる。
通勤時間がない分、いつもより長くたっぷり寝て、パソコンの表示とにらめっこして、その日の仕事を終えれば、YouTubeで動画を見て、TVでアニメを見る。
自分の生活はありがたいことに平常運転だ。
心配事といえば、いつか行こう行こうとおもいつつまだ行っていなかったアニメ聖地のライブハウスが存続するかどうかくらいのもの。
桜は咲き、新緑となるし、空は青いし、風も吹く。
傍目にはそれほど非常時とは体感できない。
「真綿で首を絞めるように徐々に文化がダメージを受けていく」
とネットの誰かが形容していた。
これが感染症パンデミック下のリアル。
パニック映画やSF小説とは違う、リアルなパンデミック下の生活。