2020-05-07
部屋に一人、籠城さながら閉じこもっている。ブラインドを上げて外を見れば、小さい子を連れた男女や中学生が遊んでいる。換気のため窓を開けた。子供の笑い声、木のざわめき、雀の鳴き声。畳に寝そべって空を見た。白い雲に青い空、目に優しい緑の葉。ラムネが飲みたい。大嫌いなあのシュワシュワを味わいたい。でも飲んだところで後悔するだけだろう。ため息をついて本を引っ張り出した。背中越しに笑い声を聞いた。いつもの休日とほぼ変わらない。けれどもこれは違うのだ。限りなくいつもに近いだけ。本当のいつもに戻ったとき、外に出よう。いつも出ようと思わなかった外に。嫌いなラムネを飲んで、嫌いな日光を浴びよう。