2020-05-08
…思い出すことがある
アメリカでは比較広告が盛んだという話があった
アメリカのポテトチップスでプリングルスという商品のコマーシャルの話だ
その内容はこうだ
テレビのCMで、
イケてる若いにいちゃんたちがプリングルスを楽しそうに食べている
屋外のバスケットコートがあるような公園でだ
そこで、そのにいちゃんたちを眺めているベンチに腰掛けたおじいちゃんがいる
いわゆるプラ袋に入っているポテチを食べている
だけれど、おじいちゃんのポテチは"成形"されていないから形がばらばらで食べづらい
そして最後、粉ばっかで袋からボロボロとカスが出てくるわけだ
…その公園で、ベンチの上で、袋からカスがポロポロと出てきて服にかかって難儀しているおじいちゃんの絵が映し出される
そこへいくとプリングルスは成形だからとっても食べやすい!!
…というのがCMの大意だった
…
今何度も思い出すけど
思い出される感情は
プリングルスが食べやすいかどうかなど本当に心底どうでもよくて、
袋ポテチに入ってたカスが服にくっついちゃって、
屋外の公園のバスケットコートがあるベンチで、
そのコートではつらつと動く若者たちを横目に服に付いたポテチのカスを悲しげにパサパサと叩くおじいちゃんの絵だった
私はあのCMで、
プリングルスの良さとか心底どうでもよく、
ただひたすら、
袋ポテチの悲哀、悲しさ、ただそれだけを受け取った
そんな青春だった