COVID-19流行下の日々を集団で記録する日誌

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2025-11-15

中国や台湾に関する最近の外務大臣の発言について
 
 
 
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/kaiken/kaikenw_000001_00180.html#topic1
茂木外務大臣会見記録
(令和7年10月22日(水曜日)11時39分 於:本省会見室)
 
冒頭発言: 就任に当たって
【茂木外務大臣】この度、外務大臣を拝命いたしました。2019年9月から約2年間、外務大臣を務めましたので、4年ぶりの外務大臣就任ということになります。マスコミの皆さんを始めとして、また、よろしくお願い申し上げます。
 前回の外務大臣当時と比べてみても、日本を取り巻く国際情勢、また、安全保障環境、これは一層厳しさを増して、国際情勢、ますます複雑化を増しているところであります。ロシアによりますウクライナへの侵略や、不安定な中東情勢はもちろんでありますが、我が国の周辺におきましても、中国の外交姿勢であったり、軍事動向や北朝鮮による核開発、これに加えて、北朝鮮と中露の連携強化といった懸念すべき動き、こういったものも出てきているところであります。
 同時に、日本外交に対する国際社会からの期待感、これは、かつてなく大きいものがあると、このように感じております。国際社会から期待をされる日本の役割と責任を果たしていくことで、国益を守り、そして、国際社会でより存在感を高める日本ならではの外交、すなわち、「力強く、視野の広い外交」を、私(茂木大臣)自身が先頭に立ち、外務省一丸となって進めてまいりたい、このように考えております。
 外交政策に求められるのは、主体性と継続性、そして、国際環境の変化に対応した、その多面的発展にあると、このように考えております。
 具体的には、まず、日米同盟、これを更に深化させ、その抑止力と対処力を一層強化していく必要があると考えております。その上で、これまで構築してきました様々な枠組み、これを生かして、豪州、インド、韓国、フィリピン、欧州諸国等との外交・安全保障面での協力のネットワーク、これを強化していきたいと考えております。
 次に、日本が世界に呼びかけている「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」でありますが、これを日本外交の柱として、時代の変化に合わせて進化させていきたいと思います。そのためにも、多面的な取組を通じて、同盟国・同志国や、グローバル・サウスの国々とも、きめ細やかに連携していきます。
 さらに、CPTPPや日米貿易協定など、各国との経済連携を主導してきた立場から、多角的な経済外交を推進していくと同時に、サプライチェーンの強靱化を含む経済安全保障の取組、これを強化してまいります。
 また、今般、関税措置に関する日米間の合意の実施を含めた米国との調整等についても、私(茂木大臣)が担当することになりました。かつて、日米貿易交渉、これを担った経験も踏まえて、合意の誠実かつ着実な実施に努めていきたいと思います。これによって、日米の相互の利益の促進、経済安全保障の確保に向けた日米間の協力、さらに我が国の経済成長の促進につなげていきたい、このように考えているところであります。
 今週末から、早速、ASEAN関連の首脳会議、これを皮切りに、トランプ大統領の訪日も予定されております。重要な外交日程が控えているところでありまして、高市総理とともに、各国のカウンターパートと、率直に対話を積み重ね、国際情勢に関する認識の共有であったり、個人的な信頼関係の構築、これを進めていきたい、こんなふうに考えております。
 私(茂木大臣)からは、以上です。
 
 
 
外交目標
【共同通信 鮎川記者】就任おめでとうございます。これからよろしくお願いいたします。冒頭で、「国際情勢が厳しさを増している」という御発言がありました。4年ぶりに外務大臣に就任された中で、特に、日本外交として、例えばなんですが、トランプ米国大統領というのは、ロシアによるウクライナの侵略の停戦に意欲を示したり、米朝首脳会談に意欲を示したり、こういったことをしていますけれども、茂木さんとして、日本の外務大臣として、特に、こういったことを実現したいという具体的なことがありましたら、御紹介いただけますでしょうか。
 
【茂木外務大臣】トランプ大統領も、特定のテーマといいますか、特定の分野に集中しているというよりも、様々な国際的な課題について取り組む、こういう意向を示し、実際に取り組んでいるということだと思うんですけれど。具体的な目標、成果というよりも、外交政策に求められますのは、先ほど申し上げたように、主体性と継続性、そして、国際環境の変化に対応したその多面的な発展だと、こんなふうに考えておりまして、特に、日本外交の多面的な発展、これには重点的に取り組んでいきたいと思っております。
 会見冒頭でも、特に、何を多面的に発展させていくか、3点を大きく入れさせていただいた、こういったことについては、特に力を入れたいと、こんなふうに考えています。
 
 
 
隣国外交
【読売新聞 植村記者】大臣、就任おめでとうございます。よろしくお願いします。高市政権の外務大臣として、隣国との外交をどのように展開するかを伺います。韓国とは、近年、良好な関係が継続している一方で、竹島だったり、歴史問題など、火種を抱えている側面もありますが、関係改善の基調をどのように維持・強化して行きますでしょうか。また、邦人拘束などの人権問題や、尖閣諸島への領海侵入など、深刻な課題を抱える中国に対しては、どのように対峙し、また懸案解決に取り組んでいこうと思うのか、大臣の外交方針を伺います。よろしくお願いします。
 
【茂木外務大臣】ありがとうございます。隣国、特に、韓国と中国について御質問いただいたところであります。
 韓国につきましては、国際社会の様々な課題に、パートナーとして協力すべき重要な隣国でありまして、現下の戦略環境の下、日韓関係、大きく改善いたしました。この重要性は一層増している、こんなふうに考えているところであります。
 日韓の間には、隣国であるが故の、難しい問題、課題というのもあるわけでありますが、1965年の国交正常化以来、これまで築いてきた日韓関係の基盤に基づいて、日韓関係を未来志向で、大きく発展をさせていきたいと考えております。
 また、日米韓3か国の間でも、北朝鮮に対する対応、これが何よりも重要となりますが、安全保障、経済安全保障の分野での協力も含めて、戦略的な観点から、更に緊密に連携していくことが重要だ、こんなふうに考えているところであります。
 こういった観点から、首脳レベルによります「シャトル外交」、これも、今、進んでいるところでありまして、この活用も含めて、様々なレベルにおいて、両国間で緊密に意思疎通しつつ、より良い日韓関係、これに向けて取り組んでいきたいと考えております。
 一方、中国については、御指摘の点も含めて、懸案や課題があることも事実だとは思っております。だからこそ、率直に話をしていく必要がありまして、その中で、主張すべきことは主張する。また、責任のある対応を中国側に求めていく。その上で、協力できる分野については、協力していく。こういった現実的な外交を行っていきたい、こう考えております。
 これまで日中首脳間では、「戦略的互恵関係」の構築と「建設的かつ安定的な関係」の構築という、大きな方向性、これを確認してきたところでありまして、こうした大きな方向性の下で、意思疎通を一層強化して、双方の努力によりまして、課題と懸案を減らして、理解と協力、これを、増やしていきたいと、こんなふうに考えております。

 

 
 
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/kaiken/kaikenw_000001_00181.html
茂木外務大臣会見記録
(令和7年10月24日(金曜日)17時52分 於:本省会見室)
 
非核三原則
【中国新聞 宮野記者】国是の非核三原則について伺います。高市首相は、過去に、「持たず、つくらず、持ち込ませず」の「持ち込ませず」の見直しに言及されています。政府としては、米国の核抑止力を強化する最中ではありますが、見直しの検討を考えているか、大臣に伺います。
 
【茂木外務大臣】政府としては、非核三原則を政策上の方針として堅持をしております。 その上で、この三原則のうち、「持ち込ませず」については、2010年、当時の岡田外相によります答弁を引き継いでいく考えであります。
 
 
 
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/kaiken/kaiken4_001095.html
茂木外務大臣臨時会見記録
(令和7年10月27日(月曜日)19時09分 於:クアラルンプール(マレーシア))
 
(記者)大臣、お疲れ様でした。高市政権の外務大臣として就任以降、初の外遊となりました。国内外で高市政権や茂木大臣の外交カラーはどういったものかについて注目が集まっているかと思いますが、ASEAN諸国や、あとは個別会談をした各国に高市政権がどのような外交姿勢かを示すことができたでしょうか。また、茂木大臣はかねてから、経済で失敗すれば政権が倒れ、外交で失敗すれば国が傾くと外交の重要性を訴えていますが、大臣自身、外交の失敗とは何だと考えますか。
 外交での失敗を回避し、成功に導いていくために、今回のASEAN外遊ではどのような点に意識を置き、また今後の外交を展開していきたいと考えますでしょうか。よろしくお願いします。
 
(大臣)大きく3点、ご質問いただいたと思いますが、今回の一連の日程を通じて、我が国が新政権の下でもASEAN主導の地域の枠組みでこれを重視していくこと、そして「自由で開かれたインド太平洋」を一層推進していくこと、これを地域、国際情勢についての日本の立場と併せてしっかりと発信することができたと思っております。また、各国のカウンターパートとの間で、今後の協力の基礎となる信頼関係、構築することができたと考えてるところであります。確かに、私はこれまで、経済で失敗すれば政権が倒れ、外交で失敗すれば国が傾く、こういうふうに言ってまいりました。外交での失敗、これは状況によって異なり、また最終的には歴史が判断することと、こんなふうにも考えておりますけれど、その上で申し上げると、外交政策に求められているのは、主体性と継続性。そして国際環境の変化に対応したその多面的展開だ。と、こんなふうに考えておりまして、外交がこれらを欠いてしまうと、最終的には、国の進むべき進路というものを誤って国益を損なう。国益に反してしまう。これが失敗ではないかな。と、こんなふうに考えているところであります。今回の外遊の成果、そして今後に向けた方針については、冒頭発言でも申し上げたところでありますけれど、一連の会議であったりとか会談でやられた成果。これを日米首脳会談やAPECと今後の外交日程につなげていきたいと思っております。高市総理のこのASEAN関連の会合、昨日出席をされましたが、マレーシアの首相もトランプ大統領の訪日直前、いろんな準備のある中でわざわざ出席してくれたと、非常に感謝をしていたというところでありまして、日本として、このインド太平洋のまさに中心に位置するこのASEAN。ここで存在感を高めることができたんじゃないかなと、こんなふうに考えてます。
 
 
 
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/kaiken/kaikenw_000001_00182.html
茂木外務大臣会見記録
(令和7年10月28日(火曜日)17時22分 於:本省会見室)
 
日中外相電話会談
【茂木外務大臣】次に、中国の王毅(おう・き)外交部長との間で、本日午後、14時からですが、約30分間電話会談を行いました。私と王毅部長との間で、旧知の仲でもありまして、20年来の、なんというか、やり取りもあるという中で、日中間で、「戦略的互恵関係」の包括的推進と、「建設的かつ安定的な関係」の構築を進めるという方針を再確認いたしました。その大きな方向性の下、様々なレベルでの意思疎通を重ねることで一致を見たところであります。
 また、私の方からは、中国によるレアアース関連の輸出管理措置についての強い懸念、これを表明いたしました。尖閣諸島、尖閣周辺海域など、東シナ海での中国の活動に対する深刻な懸念を改めて伝え、拘束中の邦人の早期釈放と、在留邦人の安全確保を求めたところであります。また、日本産食品の輸入規制についても働きかけを行いました。
 今後も、王毅部長との間でも、意思疎通を重ねて、課題と懸案を減らし、理解と協力を増やしていきたいと、こんなふうに考えております。
 
 
 
日中関係
【上海東方テレビ 宋記者】中国関連で1点お伺いします。日米が対中政策で協調することも大切ですが、日本としては中国との戦略的互恵関係も重視されていると思います。このバランスをどのようにとっていかれるお考えでしょうか。
 
【茂木外務大臣】日米同盟、これは我が国の外交・安全保障政策の基軸でありまして、インド太平洋地域の平和と繁栄の礎になるものであります。
 また、米国とは、本日の日米首脳会談や、私とルビオ長官との外相会談を含めて、累次の機会には、中国をめぐる諸課題について、日米間で意見交換を行い、緊密に連携していくこと確認しているところであります。
 一方、中国との間では、懸案や課題があることは事実であります。だからこそ、率直に話をしていく必要がありまして、そうした中で、主張すべきことは主張して、責任ある対応を求めていきたいと思います。その上で、協力できる分野では協力していくと、この現実的な外交を行ってまいります。
 これまで日中首脳間では、「戦略的互恵関係」の推進、包括的推進ですね。そして、「建設的かつ安定的な関係」の構築という大きな方向性、確認をいたしました。本日も、私と王毅外交部長との間で、これを直接、確認をしたところであります。
 こうした大きな方向性の下、意思疎通をより一層強化し、双方の努力によって、課題と懸案を減らして、理解と協力を増やしていくと、こういう方針であります。
 その上で、日本としては、引き続き、同盟国たる米国との強固な信頼関係の下、中国に対して、その立場にふさわしい責任を果たしていくよう働きかけを行っていきたいと考えております。
 
  
 
日中外相会談の可能性
【時事通信 千葉記者】冒頭御発言もあった中国の王毅外相との電話会談についてなんですけれども、大臣、明日からAPEC閣僚会議に出席されると思いますけれども、対面での王毅外交部長との会談について言及があったか、調整状況あれば教えてください。
 
【茂木外務大臣】ありません。

 
 
 
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/kaiken/kaiken4_001096.html
茂木外務大臣臨時会見記録
(令和7年10月30日(木曜日)16時49分 於:慶州(韓国))
 
【記者】韓国との関係と中国との関係について伺います。冒頭ご紹介があったように、大臣は初めて韓国との二国間の外相会談を行われました。この後に高市総理の初めての首脳会談も予定されていると伺っています。先ほど隣国故の、立場が異なる問題を管理し、というご発言があったと思うのですが、これは具体的にどういったことをさしているのかをご紹介いただけたらと思います。あわせて、首脳のシャトル外交こういったものをどのように活用して二国間関係を進めていくべきか、ご紹介ください。
 また、中国との関係についてなんですが、調整中とは伺っていますが、今回、日中首脳会談の可能性があると、先日、大臣は王毅さんと電話会談をしたと思うのですが、これがハイレベルの意思疎通を強める必要性について、旧知の間柄だったと思うのですが、どういったやりとりで首脳会談につながっていく作用があったか、ご紹介いただければと思います。
 
【茂木外務大臣】まず、日韓関係でありますけれど、日本と韓国は互いに国際社会の様々な課題に、パートナーとして協力すべき重要な隣国でありまして、現下の戦略環境のもと日韓関係の重要性、一層増していると考えております。
 私とですね、チョ・ヒョン外交部長との間でも、昨日の会談におきまして、日韓関係を未来志向で安定的に発展させていくために、あらゆるレベルで緊密に意思疎通を続けていくということで一致を見たところであります。隣国ゆえの懸案、これは皆さんご存知のことですけれど、そういったものを一つ一つ解決していくためにも、意思疎通を緊密にしていく、こういったことが大切だと考えております。
 中国との関係についても、先日私の方から申し上げておりますように、様々な課題や懸案、こういったことがあるのは事実であります。しかしそういったものがあるからこそ、しっかり対応していく必要があると考えております。そういった対話の中で主張すべきは主張し、中国に責任ある行動を求めていく、同時に協力できる分野については、協力を進めていきたいと思っております。こういった中で、懸案や課題をできるだけ少なくして、理解や、また協力を広げていきたいと考えているところであります。
 これから、日中の間で様々なハイレベルも含めて、やり取りというのは当然行われるべきだと思いますけど、現時点で具体的に決まっていることはございません。
 
 
 
【記者】今日韓国で、APECの首脳会談にあわせて、トランプ米大統領と中国の習近平・国家首席の会談が行われました。日本政府として、会談の受け止めと、またその会談の結果が日本や世界のサプライチェーンにどういった影響があると見ていらっしゃるのかを伺いたいです。あわせて、台湾問題について話さなかったというような発言があったようなのですが、この点についても受け止めを伺えますか。
 
【茂木外務大臣】まず基本的な認識として、米中両国の関係の安定、これは安全保障面もそうですし、経済面もそうですし、経済で世界のNo.1、No.2でありますから、この安定というのは、国際社会全体にとっても極めて重要であると考えているところであります。そして、今日の米中首脳会談、私同席しておりませんから、詳しい内容まではわかりませんが、トランプ大統領によりますと、中国のレアアース関連の輸出管理措置の一年延期、中国の米国産大豆の大量の購入、フェンタニル対策協力の強化及び、違法薬物関連の対中追加関税の10%引き下げ、そして、対中関税引き上げの取りやめ、追加で行うといっていた対中関税の引き上げの取りやめということが決まった、そのように今、承知をしております。会談に関しそれ以上の詳細な内容、トランプ大統領の発表以上のことは承知をいたしておりませんけれども、いずれにしてもこのレアアースの問題、いろんな関税の問題、連携も含め、今後、情報収集を進めていきたい、こんなふうに考えております。
 
 
 
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/kaiken/kaikenw_000001_00183.html
茂木外務大臣会見記録
(令和7年11月4日(火曜日)11時52分 於:本省会見室)
 
APEC首脳会議における高市総理と台湾の代表との会談
【読売新聞 植村記者】高市首相が、APECで、訪問先の韓国慶州(キョンジュ)で、台湾のAPECの代表の元行政院副院長の林信義(りん・しんぎ)氏と会談したことに対して、中国外務省が非難する発表をしました。この中国政府の避難に対する、非難・批判に対する受け止めをお伺いします。よろしくお願いします。
 
【茂木外務大臣】このAPEC、21の国及びエコノミーで構成されておりまして、そういった機会に、日本の首相が、台湾の関係者と会うということは、これまでもやってきたことだと、こんなふうに思っているところでありまして、御指摘の今回の会談、これ、1972年の日中共同声明を踏まえて、台湾との関係を非政府間の実務関係として維持するという、日本政府の立場に反するものではない、このように考えているところであります。
 実際、冒頭申し上げたように、これまでのAPECの首脳会議の機会にも、何度もこういった会談は重ねてきていると、そういうふうに承知をいたしております。
中国側からの申入れというのは、この会談を受けてありましたが、日本として、かかる立場を改めて中国に説明し、反論をしたところであります。
 いずれにしても、日本政府の台湾に関する基本的な立場、これに変更はありません。
 
 
 
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/kaiken/kaikenw_000001_00185.html
茂木外務大臣会見記録
(令和7年11月7日(金曜日)18時02分 於:本省会見室)
 
台湾の前台北駐日経済文化代表処代表の叙勲
【読売新聞 植村記者】中国外務省の毛寧報道局長は、6日の記者会見で、日本政府が外国人叙勲で、台湾の謝長廷(しゃ・ちょうてい)前台北駐日経済文化代表処代表に旭日大綬章授与を決めたことに反発をしました。謝氏は、代表を8年間務め、「日台の友好、親善と相互理解の促進に貢献した」と評価されて、今回受賞をしましたが、今回の中国側の反発への大臣の受け止めを伺います。よろしくお願いします。
 
【茂木外務大臣】御指摘の謝長廷氏に対する受勲、これは、今お話にあったような8年間にわたります代表として、日本・台湾間の友好親善及び相互理解の促進に寄与したことを讃えて授与されたものだ。このように承知をいたしております。
 これまでも同じような事例と、これは何件もあります。
 その上で、台湾との関係性に関する我が国の基本的な立場、これは、1972年の日中共同声明にあるとおりでありまして、何ら変更があるわけではありません。
 
 
 
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/kaiken/kaiken4_001097.html
茂木外務大臣臨時会見記録
(令和7年11月12日(水曜日)15時25分 於:ナイアガラ地域(カナダ))
 
台湾有事に関する総理発言
【記者】高市総理の国会答弁について伺います。台湾有事は存立危機事態になりうると国会答弁を巡って、野党側から軌道修正、撤回を求める声が出ています。中国は、内政に乱暴に干渉したと日本側に抗議したことを明らかにしています。この総理答弁への大臣の認識を伺いたいのと、関連して、大阪に駐在する中国の総領事のSNSへの投稿を巡って、自民党の外交部会などはペルソナ・ノン・グラータに指定することも含めた対応を政府に求め、一部の野党からも、同様の指摘が上がっていますけれども、今後の政府対応を伺いたいのと、また日中関係、これに与える影響についても教えていただければと思います。
 
【大臣】まず、いかなる事態が存立危機事態に該当するかについては、実際に発生した事態の個別具体的な状況に即して、政府が全ての情報をもとに総合的に判断するということになっております。総理の発言も、その趣旨で行われたものと理解をしております。
 また、いずれにしても、台湾海峡の平和と安定は、日本の安全保障はもとより国際社会の安定にとっても重要であり、台湾を巡る問題が、対話により平和的に解決されることを期待する、これが我が国の一貫した立場であります。
 また、御指摘の中国の大阪総領事の投稿は、在外公館の長の発信として極めて不適切であると考えております。外務省及び在中国大使館から中国側に対して、こうした投稿は極めて不適切である旨の申入れを行い、厳しく抗議し、関連の投稿の速やかな削除を求めるとともに、適切な対応を強く求めているところであります。その後、関連の投稿の一部は閲覧できない状況にあると承知いたしております。
 中国の大阪総領事による複数回にわたるこういう不適切な発信は遺憾であり、先月末の日中首脳会談や日中外相電話会談でも確認をした、日中関係の大きな方向性に影響が出ないよう、中国側に対して引き続き、適切な対応を中国側が取るよう強く求めていくところであります。
 
 
 
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/kaiken/kaikenw_000001_00186.html
茂木外務大臣会見記録
(令和7年11月14日(金曜日)16時59分 於:本省会見室)
 
存立危機事態
【読売新聞 植村記者】台湾海峡をめぐる存立危機事態についての高市首相の答弁に関して、中国の林剣(りん・けん)報道官は、13日の記者会見で、中国の主権に関する主張や、過去の歴史の記憶の引用をするなどして、強い言葉で日本を非難しました。また、中国外務省は、北京に駐在する金杉憲治大使を呼んで抗議するとともに、首相の発言の撤回を求めました。日本側が、首相が述べているのは、台湾海峡の不安定化が、日本の安全保障に悪影響を及ぼすということであり、政策の変更ではない上、中国の主権論でもないと推察をします。こうした日本の主張、日本と中国の主張や認識のずれや、中国の強い反応に対して、大臣は、どのように考えていますでしょうか。また、先ほど申し上げた、金杉大使を呼び出して抗議したことも含めて、受け止めを伺います。よろしくお願いします。
 
【茂木外務大臣】中国外交部の会見での発言については承知をいたしております。また、高市総理の国会での答弁に対して、昨日、中国側から、我が方大使へ、金杉大使に対して抗議があり、これに対して、金杉大使から、高市総理の答弁の趣旨と我が国の政府の立場について、中国側に改めて説明を行い、明確に反論したところであります。この内容については、昨日の会見でも私がお話ししたとおりです。
 その上で、我が方大使から、今般の中国の大阪総領事の投稿、これは、在外公館の長の発信として、極めて不適切と言わざるを得ないと、強く抗議の上、改めて中国側の適切な対応を強く求めたところであります。
 先月末の日中首脳会談や、日中外相電話会談でも確認したところでありますが、日中関係の大きな方向性に影響が出ないように、こういう確認した内容について、大きな影響が出ないように、中国側に対して、引き続き、適切な対応を取るよう、強く求めたいと思っております。
 いずれにしても、台湾海峡、この平和と安定は、日本の安全保障はもとより、国際社会の安定にとっても、極めて重要でありまして、この点は何度も繰り返していることでありますが、台湾をめぐる問題が、対話により、平和的に解決されることを期待すると、これが我が国の一貫した立場であります。
また、政府の台湾に対する立場、これは、1972年の日中共同声明のとおりであり、変更はございません。
 
  
 
ペルソナ・ノン・グラータ
【産経新聞 永原記者】先ほど大臣も言及されましたが、中国の大阪総領事のSNS発信について伺います。与野党双方から、ペルソナ・ノン・グラータの指定を求める声が高まっていますけれども、過去に、日本政府として、ペルソナ・ノン・グラータに指定された事例、反対に相手国から指定を受けた事例をお伺いします。併せて、それらの事例と比較して、今回の大阪総領事の発信が、ペルソナ・ノン・グラータに値するのかどうか、改めて大臣のお考えをお尋ねいたします。  
 
【茂木外務大臣】2点というか、質問があったのですが、逆の方からお話をさせていただきますと、先ほどの読売さんの質問に対する答えと重なる部分もあるのですが、これまで日中間では、「戦略的互恵関係」の包括的推進と「建設的かつ安定的な関係」の構築という大きな方向を確認してきておりまして、これは先般行われた日中首脳会談や、それに先立ちます私と王毅(おう・き)外相との電話会談においても、改めて確認をしたところであります。
 こうした大きな方向性の下、あらゆるレベルで、幅広い分野において、意思疎通を一層強化をし、双方の努力により、課題と懸案を減らして、理解と協力を増やしていく方針であります。
 こうした中で行われた御指摘の中国の大阪総領事の投稿、これはこれまでも述べてきているとおり、在外公館の長として、長の発信として、極めて不適切であると、このように考えております。
 外務省、そして、在中国大使館から、中国側に対して、こうした投稿は極めて不適切であると、こういう申入れを行い、厳しく抗議をし、関連の投稿の速やかな削除を求めるとともに、適切な対応を強く求めております。その後、関連の投稿の一部は閲覧できないと、こういう状況になったと承知をいたしております。
 中国の大阪総領事によります、複数回にわたります、今回1回だけではなくて、昨年の選挙の際もありましたけれど、不適切な発信、これ遺憾であります。中国側に対して、日中関係の大きな方向性に影響が出ないよう、引き続き、適切な対応を中国側として取るように強く求めていますし、また、いきたいと思っております。
 その上で、ペルソナ・ノン・グラータの過去の事例でありますけれど、こちらが出した事例が4件、それから、相手側から出された事例が2件あります。
 具体的に申し上げますと、過去に、我が国が駐日外国大使館員に対してペルソナ・ノン・グラータを通告した事例としては、1973年に在日韓国大使館の一等書記官、2006年に在日コートジボワール大使館のアタッシェ、2012年に在日ロシア大使(注:会見最後の部分で「在日シリア大使」に訂正)、そして、2022年の在札幌ロシア総領事、この4例がありました。
 一方で、戦後ありますが、我が国の在外職員が、ペルソナ・ノン・グラータであることを通告されたものと確認される事例、これは2012年の在シリア大使に対する通告、及び2022年の在ウラジオストク総領事館の館員に対する通告の2例があると、このように承知をいたしております。
 
 
 
中国におけるスパイ罪の運用
【共同通信 恩田記者】中国に関して、中国国内のスパイ罪の運用について伺います。北京市の高級人民法院は、13日、日本人外交官に情報提供したなどとして、スパイ罪に問われた中国共産党系の主要紙の元幹部、董郁玉(とう・いくぎょく)氏の控訴上訴を棄却しました。懲役7年の1審判決を支持し、判決が確定したことになります。昨年11月の1審判決は、董氏と親交のあった日本人外交官らの名前の一部を列挙し、スパイ組織の代理人と認定しています。在中国日本大使館をスパイ組織とみなしていますが、受け止めと、中国国内のスパイ罪の不透明な運用について見解を伺います。  
 
【茂木外務大臣】当該裁判につきましては、裁判の判決を含めて、事実関係は確認中であります。
 その上で、御指摘の事案を含めて、我が国政府の外交活動に関する個別具体的な事柄を明らかにすることは、今後の外交活動に支障を与える懸念があるため、お答えを差し控えますが、それが何か悪いことをやっていると、そういうことでは決してなくて、我が国の在外公館が行っている外交活動、これは、外交官として正当な業務であると、これは間違いないと思っております。
 また、我が国は、中国のいわゆる「反スパイ法」について、これまでも中国側に対して、例えば「反スパイ法」、最後のところに、「その他スパイ行為」とか、そういうのが入ってきたり、あいまいな部分もありますし、また、法執行、及び司法プロセスにおける透明性、こういったことの確保を求めているところであります。
 そうした透明性は、まだ不十分であることから、引き続き、関連の取組、また、申入れ等々も行っていきたいと考えております。
 
 
 
存立危機事態
【香港フェニックステレビ 李記者】先ほど出ました質問の関連ですけれども、今回、中国の日本側に対して抗議をした件ですが、この抗議の際に、中国が、高市総理の発言を撤回するように求めたということなんですけれども、この求めた撤回について、日本側が撤回について断ったということでしょうか。そして、先ほど大臣の説明の中にありましたように、「明確に日本側が反論しました」といったことですけれども、この反論というのが、具体的に、中国側のどの主張に対して、どのように反論したのかということをお聞かせください。
 
【茂木外務大臣】外交上のやり取りでありますので、細かい部分については申し上げませんけれど、高市総理の答弁の趣旨、これは存立危機事態というものが、どういう事態であるかと、そして、どういう場合に、この存立危機事態というのが認定をされ、発動されるかと、こういったことについて、これまで、このことについては、既に平和安全法制制定してからその審議の中でも、また、その後も、しっかりと説明していると、その考え方というのは変わっておりませんので、そのことが我が国の立場であるということを、説明して、中国の言っている主張は違っていると、こういう形で反論させていただいたということです。
 
【フェニックス 記者】撤回について断ったのかどうかということについて。
 
【茂木外務大臣】ですから、高市総理を含めて、我が方の、これまでの主張といいますか、説明、この平和安全法制、存立危機事態に対する説明というのは、明確でありまして、それ自体、なんら国際法に反するものでもありませんし、しっかり国会での審議をして、成立している法案でありますから、撤回する必要はないと、それは当然のことであります。
 
 
 
[[ペルソナ・ノン・グラータについての訂正]]
【茂木外務大臣】ごめんなさい。一つ間違いがあって、先ほどのペルソナ・ノン・グラータの関連で、こちらが通告した事例の中で、3番目に言いました2012年在ロシアと言ったのですけれど、在日シリアでした。日がロに見えたんだ。
 もう一回言うと、1973年に在日韓国大使館の一等書記官、2006年に在日コートジボワール大使館アタッシェ、そして12年に在日シリア大使、そして、2022年に在札幌ロシア総領事館の領事、この4名ということになります。
 
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