2020-05-09
「例えばマイクロプラスティックや
海洋ゴミ、二酸化炭素の排出から
くる温暖化現象、海水温の上昇から
くる異常気象、森林火災に海面上昇、
などなど、文明を手にした人間は
自然のサイクルから逸脱した故に
他の自然生物を巻き込んで地球を
汚染している。
かと言って、人間が滅びればいい、
文明を手放せばいい、という問題
でもない。
だがこのままでは地球は、
というより人間は、
自業自得により滅びてゆく。
そこで導き出した答えが
( 人を封じる )という事だ。
研究を始めたら上も乗り気でね
先日、動物実験に移ったところだ。
数年ほどかかっているから
もうそろそろ※※で試したいが…。」
彼はなかなか進まない研究に焦って
いるのか、最後は自問自答するように
小声でつぶやき、眉間に手を当て、
少し考え込んでいるようにも見えた。
数ヶ月後、彼の勤める研究所で
窃盗事件があったと噂が流れてきた。
彼は大丈夫だろうか、と聞いたら
負傷者はなく、またデータも厳重管理
されているため被害は実験用の小動物
数体で済んだそうだ。
彼が無事で良かったと安堵し、
彼の携帯へ見舞いの電話をかけたが
「お客様のおかけになった電話はお繋ぎ
できません、番号をお確かめに…」
とアナウンスが流れる。
番号を変えたかな?と思い
電子メールを送るが
アドレス不明で戻ってきた。
仕方がないので一旦自分の研究室へ
戻る事にした。
途中、「受付にいるスーツの男たちは
見かけない顔だな」と横目で見ながら、
彼の他のメールアドレスを
控えていたか思い出していた。