COVID-19流行下の日々を集団で記録する日誌

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2020-05-09

ウイルスの細胞レベルでの増殖について

ウイルス増殖は、まず宿主細胞の表面にウイルスが吸着することで始まる。ウイルスが細胞に接触すると、ウイルスの表面にあるタンパク質(リガンド)が宿主細胞の表面に露出しているいずれかの分子(レセプター)を標的にして吸着する。
したがって、ウイルスがその宿主細胞に感染できるかどうかは、そのウイルスに対するレセプターを宿主細胞が持っているかどうかに依存している。
次に細胞内への侵入が起こるが、ウイルスのエンベロープが宿主の細胞膜と融合し、脱殻(ヌクレオカプシドが宿主細胞質内に送り込まれる)する、膜融合タイプや宿主細胞のエンドサイトーシスを利用しての侵入などがある。
また、カプシドごと細胞内に侵入したウイルスは、一旦カプシドが分解されて脱殻(ゲノムが宿主細胞質に遊離)する。
ウイルスゲノムの複製メカニズムはウイルスのタイプにより大きく異なるが、基本的には、ゲノムの複製とウイルスタンパク質の合成が別々に行われた後、ゲノムを包み込むようにカプシドを形成し、ヌクレオカプシドが作られる。
その後、出芽(エンベロープを持つウイルス)や宿主細胞の崩壊(エンベロープを持たないウイルス)により、宿主細胞外に放出され、成熟(ウイルスタンパク質のプロテアーゼによる修飾をすることで感染性を獲得)する。